遺留分侵害額請求
あん： 相続の際に、遺言書があるのに揉めた話を聞きました。
しん： どんな内容なんだい？
あん： 介護を一手に引き受けてくれた娘さんに遺産の全てを相続する内容だったそうですが、疎遠だった息子さんが自身の遺留分を主張され、遺留分侵害額請求をされたそうです。
しん： 遺留分は、遺言によっても奪うことのできない権利だね。遺言書は亡くなった方の意思を示すものではあるけれども、必ずしも平等ではない場合もあるんだ。その場合には遺留分の範囲に基づき権利を主張することができるよ。
あん： そうなんですか。遺言書がある場合には、書いてある通りに遺産を分けるものかと思っていました。遺産は自宅と僅かの預貯金だけで支払うお金もなく、泣く泣く自宅を手放さなくてはならなくなったそうです。
しん： それは大変だったね。遺留分については、相続前に放棄してもらうこともできるけれど、前もって話しておけば今回のトラブルを避けることができたかもしれないね。
あん： そうなんですね。そもそも遺言書に書いてある通りに遺産分割をしない場合もあるんですか？
しん： 遺言書の内容によっては相続人の利益にならない場合もあるから、その場合相続関係者全員の同意があれば、遺言書ではなく遺産分割協議によって遺産分割をすることもできるんだよ。いずれにしても、「争続」とならないようにきちんと生前に話し合いをすることが重要だね。
あん：そうなんですね。よくわかりました。
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